リヒテンシュタイン・シティーパレス
ウィーン1区のリヒテンシュタイン・シティーパレスは、9区にある庭園付き宮殿(ガーデンパレス)同様、リヒテンシュタイン侯爵家が所有しています。旧市街の宮殿はバンクガッセにあり、リンク大通りにも近く、ブルク劇場や市民庭園にも隣接しています。
旧市街のシティーパレス内にある2つの上部階へは、ウィーンで最も美しいものに数えられるバロックの豪華な階段が続いています。数々の部屋にはバロックの漆喰天井が見られ、ネオロココの華麗な内装、オリジナル家具、絹張りの壁、フロアはミヒャエル・トーネットの精巧な寄木の床張りです。これらが一体となって、往年のエレガンスを今日に伝えています。リヒテンシュタイン侯爵家の美術コレクションから、ビーダーマイヤー様式と歴史主義時代の名画が展示され、宮殿内ガイドツアーの際に鑑賞することができます。
リヒテンシュタイン・シティーパレスは、ドミニク・アンドレアス・カウニッツ伯爵の委嘱で、1691年から建設が始められました。設計はエンリコ・ツッカリによるものです。1694年にはリヒテンシュタイン侯爵ヨハン・アダム・アンドレアスI世の委嘱で、ドメニコ・マルティネッリが宮殿を完成、その際、バンクガッセに面したファサードが、ウィーン初の盛期バロック様式で仕上げられました。その後1836年から1847年にかけて、リヒテンシュタイン侯爵アロイスII世は、宮殿を「第二ロココ」に改装させました。19世紀、この宮殿は優れた技術的設備で知られていました。4つの階をエレベーターが結び、建物内部の会話装置や通信筒が天然ゴムと絹で作られ、芸術的な壁面装飾に組み込まれた導管による熱風暖房装置もありました。第二次大戦中には、爆弾投下のほか飛行機も墜落し、宮殿は大きな被害を受けました。
リヒテンシュタイン・シティーパレスのご見学は、ガイドツアーをご利用ください(予約要)。
ご予約はオンライン、メールinfo@palaisliechtenstein.com、電話+43-1-319 57 67-153