皇帝が服を新調するところ
ウィーンの贅沢品には長い伝統があります。王朝時代、オーストリアの優れた企業には、皇帝家に製品を納める特権が与えられました。「帝室御用達」のタイトルは1782年の公文書に初めて現れます。歳月とともに、それは極めて名誉ある称号となり、最高品質を保証するものとなりました。こうした企業は500以上に上りました。ウィーンに宮廷があったのは遠い昔となりましたが、k.u.k.帝室御用達のタイトルは今も最高品質を証明するものです。
K.u.k.帝室御用達の企業は、あらゆる分野に存在しました。当然のことながら、宮廷でも全ての製品やサービスが必要だったからです。例えば今も有名なホテル・ザッハーとコンディトライ・デーメル。2つの老舗からは今もザッハートルテやスミレの砂糖漬けがウィーンに供給されています。シシィ皇妃は、とりわけデーメルのスミレ菓子がお気に入りでした。カフェ・デーメルのトレードマークは、今も女性のウェイトレスのみが黒いドレスで接客サービスを行っていることです。彼女たちはデーメル・レディと呼ばれ、200年来、宮廷の作法通り、来客に三人称で話しかけます。
帝室御用達の老舗
紳士服のクニーシェは、かつて王侯貴族のファッションを担当、今も最高レベルのオーダーメイド紳士服が仕立てられています。シシィ皇妃が愛用したダイヤモンドの星型髪飾りはケッヒャートの製品です。この宝石店では今も、皇妃のためのオリジナル・デザインで、星型髪飾りが制作されています。シェールのオーダーメイド靴は1816年以来、快適な履き心地と美しい足元を保証しています。最高級の靴は伝統的な靴作りの手仕事により、少なくとも60時間をかけて仕上げられます。店内には、フランツ・ヨーゼフ皇帝の靴型も展示されています。
輝くシャンデリアからグラス・セットまで、スタイリッシュなガラス製品を生み出す老舗はJ. &L. ロブマイヤーです。名高いアウガルテン磁器工房も、かつては皇帝家のため最高級磁器を生産していました。トップレベルのマニュファクチャーで生産される磁器、ガラス製品、ナイフ・フォークなどは、アルビン・デンクに揃っています。かつて帝室御用達の老舗はほとんど、ウィーン1区の旧市街にあります。
Sacher Confiserie Vienna
1010 Vienna
- https://www.sacher.com/de/original-sacher-torte/sacher-shops/
- +43 1 51 456 1041
- confiserie.wien@sacher.com
デーメル宮廷御用達菓子店 (Demel)
1010 Vienna