ピアノの音色など、音楽に包まれながら味わうアプフェルシュトゥルーデルやクグロフは、また格別です。生演奏がカフェでの至福のひとときを演出してくれます。定期的に音楽の演奏を行っているコンサートカフェを、ここに厳選してご紹介します（曜日・時間の変更あり）。

リング通りのカフェ

1860年頃に創業したカフェ・シュヴァルツェンベルクは、ウィーンのリング通りで最も古いカフェです。楽友協会、ウィーン・コンツェルトハウス、ローナッハー劇場から近い場所にあり、ピアノの生演奏を聴くことができます（土曜日18:30、日曜日10:00より）。

同じくリング通りには、MAK応用美術博物館の向かいにカフェ・プリュッケルがあります。カフェ好きやデザイン好きにはたまらない、1950年代当時のレトロなインテリアのカフェです。そしてベーゼンドルファーのピアノで奏でる音楽は、新聞やコーヒーと並んでプリュッケルの名物です（月・水・金曜日19:00～22:00）。

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観劇の前に

フォルクスオーパーにほど近いコンサートカフェ・ワイマールは、1900年の創業以来、観劇に訪れる人々やアーティストたちでにぎわっています。昔ながらのカフェの雰囲気の中、オペレッタ、スイング、ジャズのスタンダードナンバーがピアノで演奏されます（金・土・日曜日16:00～20:00）。

1880年創業のカフェ・シュペールでは、トーネット社のベントウッドチェアと大理石のテーブル、ガラスのシャンデリアが、時代を超えた風格を感じさせます。近くのアン・デア・ウィーン劇場で舞台が始まるまで、オペラファンはそんな雰囲気の中でくつろぎのひとときを過ごします。毎週日曜日、15:30からピアノの演奏を楽しむことができます。

旧市街とその界隈

作家トーマス・ベルンハルトも通ったカフェ・ブロイナーホフは、ホーフブルク王宮とグラーベン通りに挟まれた、古美術・骨董店が軒を連ねるエリアにあります。寒い季節になると、ブロイナーホフトリオ（ヴァイオリン、チェロ、ピアノ）が毎週日曜日の午後にレハール、カールマン、シュトルツ、シュトラウス・ファミリーの名曲などを演奏します。

国立歌劇場、楽友協会、セセッシオン、ナッシュマルクトから近いカールスプラッツのカフェ・ムゼウムは、足を運んでみる価値があります。1899年に創業してまもなく、ウィーンの芸術家たちのたまり場として評判になったカフェです。グスタフ・クリムトやアドルフ・ロースといった巨匠たちもすでに常連でした。毎週金曜日から日曜日まで店内にピアノの音色が響く、インスピレーションの宝庫です（16:00～19:30）。

かつて文豪たちが集ったカフェ・ツェントラル（1876年創業）も有名です。1900年頃には作家ペーター・アルテンベルクやシュテファン・ツヴァイクなどが出入りしていました。今ではここで毎日のように生演奏を聴くことができます（水曜日～月曜日15:30～20:30）。

シュテファン大聖堂に近いヴォルツァイレ通りには、伝統あるカフェレストラン・ディグラスがあります。毎週水曜日にはピアノの演奏が楽しめます（18:30より）。

音楽が盛んなカフェ

旧市街の外にあるコンサートカフェ・シュミット・ハンスルは、音楽イベントの会場としてよく利用されます。ヴィーナーリート、ジャズ、ブルース、ミュージカルやオペレッタの人気曲、民謡、吹奏楽など、ここではクラシックからコンテンポラリーまで、オーストリア国内外のあらゆる音楽が演奏されます。

そこから徒歩わずか5分のところ、フォルクスオーパーの近くにカフェ・ショーペンハウアーがあります。ここでもヴィーナーリート（主に現代風の曲調）のほか、ワールドミュージックやジャズなど、選りすぐりのコンパクトな音楽パフォーマンスを楽しむことができます。また、子ども向けの人形劇や参加型コンサートも好評です。そのほか、朗読会や書籍紹介といった文化イベントも開かれています。それもそのはず、ショーペンハウアーは人気の書店でもあるからです。

ショッピングの合間に

マリアヒルファー通りは、ウィーンで最も規模が大きく、人通りの多いショッピングストリートです。買い物途中にウィーンの古き良きカフェで休憩したくなったら、カフェ・リッターがおすすめです。ここでは毎週木曜日と金曜日にピアノ演奏を楽しむことができます（14:30～17:30）。

動画 カフェ・シュヴァルツェンベルクを訪れるアディア

アディアと一緒にカフェ・シュヴァルツェンベルクを訪れてみましょう。ウィーンのカフェ文化をひも解き、ウィーン名物のコーヒー「メランジュ」を紹介してくれます。