ブドウの樹

戻る:

ウィーン特産ワイン:ゲミッシュターザッツ

「ゲミッシュター・ザッツ」というのは、様々な種類のブドウをミックスしたワインのことです。ただし、キュヴェの場合とは違い、すでにブドウ園で20種までの様々なブドウを一緒に栽培し、一緒にプレスして醗酵させるのです。当初は、様々なブドウの熟成度の違いや酸味の違いによって、不作に備え、均一の味を確保するのが目的でした。
ゲミッシュターザッツは数世紀にわたってウィーンのブドウ園で栽培、醸成されてきました。この伝統的なワインが、近年になって輝かしいルネッサンスを迎えています。

クリスト、エドルモーザー、ヴィーニンガー、コベンツル、マイヤー・アム・プファールプラッツ、フアガッスル=フーバーなど、意欲的なワイナリーが ウィーンワイン・グループ を結成、歴史的な特産ワインのリバイバルに大きな役割を果たしています。「ウィーンのゲミッシュターザッツ」は、ウィーンとその近郊でひとつの畑で少なくとも3種類のぶどうを栽培し醸造したもので、厳しい規格基準に適合する品質です。2013年からウィーンのゲミッシュターザッツは DAC認定 を受け、原産地呼称されるようになりました。更にウィーンのゲミシュターザッツ2024年は欧州委員会により保護されるべき原産ワインのリストに加えられました。このことによってその製法が唯一無二なものと公式に認められたことになります。

「ニューヨークは、いわゆるメルティング・ポットとして知られています。そこから、極めてオープンなワインへのアプローチも可能となるのです。ここで供される多種多様なワインの中に、ニューヨーク人/アメリカ人は本物を求めています。本物とは、確たる個性と歴史的背景を有するワインのことです。ウィーンのゲミッシュターザッツは近年、アメリカのメディアで非常に高く評価され、その優れた品質によって愛好されています。」こう語るのは、ニューヨークの高級レストラン「ル・ベルナルダン」で働くチロル人アルド・ソームで、彼は2008年、世界最優秀ソムリエに選ばれています。

ウィーンのゲミッシュターザッツは、イタリアを本拠地として生物多様性を標榜するスローフード協会から「味の箱舟」に選出され、また希少価値のプレシディオ食品に認定されました。 世界中で700の食品が受けたこの認定は、 高品質で伝統的な方法で生産された食品 を工業化された農業と食料品産業から保護し、次世代に伝えていくことが目的とされています。ウィーン産の高級ワインは、オーストリアの11の「プレシディオ」製品」のひとつです。

記事を評価する

ご関心をお持ちと思われる内容